国谷史朗(Shiro Kuniya)
第21代IPBA会長(2011年4月~2012年4月)
日本IPBAの会会長
弁護士法人大江橋法律事務所
環太平洋、アジアの時代を迎えています。そのような時代の流れの中で、IPBAは弁護士の国際的組織としてさらに大きな役割を担っていくことになります。
2014年11月3日に、シンガポールで活躍中の日本人弁護士を中心に日本IPBAの会シンガポール支部が設立されました。初代支部長には前日本IPBAの会会長の原壽会員が選任されました。現支部長は小松岳志、副支部長として前田敦利、下野健、福井信雄、宇野伸太郎の4名の会員が活動されています。支部では定期的に会合やゴルフ大会が開催され、シンガポールにおけるネットワークを広げています。
関西支部は設立以来活発に活動しています。現支部長の児玉実史、副支部長として小林和弘、中務正裕、黒田愛、豊島ひろ江、藤本一郎の5名の会員が活動の中心となっています。IPBA年次総会の世界各国でのプロモーションの一環として、毎年開催国のホストコミッティーの委員長が大阪を訪れ、関西支部のメンバーとの交流を深めています。
IPBAは2011年のIPBA京都/大阪大会においてAPEC(Asia-Pacific Economic Cooperation)と友好協定を締結しました。この協定に基づいて、2012年8月には、サンクトペテルブルグで行われたAPECセッションにIPBA代表として日本IPBAの会のAPEC委員会副委員長の石黒美幸弁護士・石本茂彦弁護士及び私を含む5人の弁護士が参加しました。このセッションは、APEC対象地域をより活性化させるために不可欠な、ベンチャー企業を含む中小企業(Small and Medium Enterprise/SME)の海外展開についてのセッションでした。日本の経済産業省、中小企業庁からも代表が参加されており、IPBAにも、各国、地域の代表と並んで発言の機会が与えられました。
2013年IPBAソウル大会においては、APECの中小企業を担当するセッションの議長であるタイの代表がゲストスピーカーとして参加されました。日本弁護士連合会の中小企業の海外展開を推進するワーキンググループの代表として、武藤佳昭弁護士もスピーカーとして参加されました。APECの関係では、外務省、経済産業省、一般社団法人日本経済団体連合会(Keidanren)のAPEC担当部会などとも協力して活動していきたいと考えております。また、APECの要請により、2013年3月には、マニラで行われたAPECのSMEのセッションに、日本IPBAの会のAPEC委員会からスピーカーとして石本弁護士と中山達樹弁護士が参加されました。
2014年5月のカナダ・バンクーバーでの年次大会においては、APEC特別委員会と国際取引委員会(International Trade Committee)とのジョイントセッションが開催されました。セッションにおいては、石本弁護士がモデレーターを勤め、APECが重視してきたアジア太平洋地域における投資活動などにおけるsustainability(経済、投資などにおける持続可能性の創造、維持、発展への寄与)について、APEC委員会から説明・報告するとともに、国際投資委員会、知的所有権委員会からも意見が発表されました。
APEC委員会は、その後IPBAの正式委員会となり、IPBAの年次大会でのセッション、APECのその年のホスト国での特別セッションなどを開催してきています。
IPBAの第30回大会は、コロナ感染のため1年延期されて2021年4月に上海で行われました。約300人が参加されましたが、基本的には中国国内からの参加でした。 ドバイ大会(第31回)は、1年延期され、2023年3月7日から10日まで、ドバイのマリオットホテルで行われました。約3年ぶりの実大会となり、予想を超える700名以上が参加し、大変盛り上がりました。日本からも約70名が参加されました。
2024年は第32回大会となりますが、いよいよ東京で行われます。ドバイ大会での事前登録受付では、すでに200人を大きく超える登録がありました。2011年の京都・大阪大会の前年のシンガポール大会での事前登録は約200名でしたが、それを上回る勢いであり、東京大会への皆さんの期待が如何に大きいかを物語っています。
東京大会は、伝統を保ちながらも装いを新たにオープンしたホテルオークラで開催されます。テーマは「New World, New Wisdom」です。コロナ禍で一旦準備作業は中止されましたが、委員長の石黒美幸弁護士を中心に、ホストコミッティーが、役割担当を決めて精力的に準備を進めています。24の委員会も、コロナ禍で一般的になったリモートワーク、大きく変容しつつある地政学的リスク、ドローン、EV、ChatGPTなどに象徴される最先端技術などと法律問題に焦点を当てた充実したプログラムを準備中です。日本のIPBA会員は、いくつかのCommitteeの委員長、副委員長を務め、また日本からスピーカーとして参加する弁護士も少なくありません。ビジネスローに関する最も熱い議論を実感できる絶好の機会です。
日本弁護士連合会は、若手弁護士の国際会議参加支援プログラムを設けてきていますが、東京大会に向けて特別なプログラムを策定して頂いています。
日本で世界の一流のビジネスロイヤーと交流を深め、最新の法律トピックに触れることにより、視野とネットワークが大きく広がります。生の実務英語に触れる絶好の機会でもあります。
ホストコミッティーは、楽しく有意義な様々なソーシャルイベントも企画していますので、必ず皆さんの期待に応えることができると思います。
コロナ前の2019年のシンガポール大会には約1250名が参加し、日本からも約150名が参加しました。東京大会はこれを上回る規模になる熱気がすでに感じられます。早期登録と若手会員割引などの各種プログラムも用意していますので、ぜひ早めの登録をお願いします。
一人でも多くの皆さんが、大会に参加されることを切望しています。